誹謗中傷 侮辱。 名誉毀損罪と侮辱罪の違い|誹謗中傷の種類について

誹謗中傷はどこから犯罪になる?

誹謗中傷 侮辱

最近では「誹謗中傷」ということばセットで使用されることが多いですが、本来「 誹謗」と「 中傷」は別々の言葉です。 誹謗とは、 根拠のない悪口で他人を誹り、名誉を汚し、貶めることをいいます。 中傷とは、 根拠のない嫌がらせや悪口などを言うこと。 これらを合わせると、「誹謗中傷」とは、根拠のない悪口や嫌がらせで、他人の名誉を汚すことと言えるでしょう。 そして、誹謗中傷は、立派な犯罪で、その結果として名誉毀損罪、侮辱罪、信用毀損罪、業務妨害罪などの罪に問われることがあります。 なぜなら、企業の場合は、これらの誹謗中傷による結果として、「社員の退職」「融資の停止」「顧客離れ」などが現実のものとなるからです。 個人の場合でも同様で、「失業」「人事考課のマイナス」「退職」などが現実のものになるからです。 誹謗中傷に当たるかどうかは、 書かれた事実が真実であるかどうかが分かれ目になります。 刑法230条の名誉毀損罪によれば、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」とあります。 インターネット上で不特定多数の人に見られる状態であれば、「公然」となります。 また、名誉毀損罪は、「公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない」とあり、ネット上に書いたことが「真偽にかかわらず」成立します。 社会的評価を低下させる情報がウェブページ等に掲載された場合には、当該情報を削除できる場合がありますが、以下の3つの要件を満たす可能性がある場合には削除を行われません。 確認しておきたい3つの要件 1.情報が公共の利害に関する事実であること 特定の犯罪行為や携わる社会生活上の地位に基づく行為と関連した情報が掲載されている場合 2.情報の掲載が、個人攻撃の目的などではなく公益を図る目的に出たものであること 特定個人に関する論評について、論評の域を越えて人身攻撃に及ぶような侮辱的な表現が用いられている場合には、この要件に該当しないことになる。 3.情報が真実であるか、または発信者が真実と信じるに足りる相当の理由があること 当該情報が虚偽であることが明白であり、発信者においても真実であると信じるに足りる相当の理由があるとはいえないような場合にはこの要件を満たさないことになる。 また、「抽象的に人の人格的社会的価値を落とそうとする」つまり、具体的な事柄を挙げずに誹謗中傷した場合は侮辱罪となります。 誹謗中傷は「いじめ」と同様に犯罪ですから、現在の状況では誹謗中傷された場合は非常にお辛い立場に立たされますが、ぜひ戦っていただきたいと思います。 ・名誉毀損罪の事例 その1 電子掲示板に、経営する病院(眼科)に関して「あのヤロー他院の批判ばかりだよ。...... 、お前のところは、去年三人失明させているだろうが」などの書き込みを行った。 これに関して、発信者情報の開示を求めた事例がありました。 裁判所では「原告が運営する病院は患者を失明させるような危険な治療を行っているとの印象を与えるものであり、...... 原告の社会的評価を低下させたものと認めるのは相当である。 」と判断されました。 なお、原告の提出した書証から、「原告が運営する病院においては、これまで1万8000以上の症例について屈折治療を行ってきたが、失明等の問題となる合併症を起こしたことがないことが認められ」ました。 事実ではないことによる風評被害だったわけですね。

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誹謗中傷にあたる言葉と批判との違い|誹謗中傷で問うことのできる罪

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これらはどちらも「相手に対して悪口を言った」場合に成立するイメージがありますが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか? 名誉毀損や侮辱的行為の法律上の問題として民事的な側面と刑事的な側面がありますが、その意味や効果の違いについても一般的にはよく理解されていないことが多いので、おさえておく必要があります。 そこで今回は、まず侮辱罪と名誉毀損罪の違いについて解説します。 なお、ツイッターなどのネット上の名誉毀損については下記の記事も参考にしてください。 侮辱罪と名誉毀損罪の違い 侮辱罪と名誉毀損罪については、どこがどのように違うのかがよくわからない人も多いでしょうから、まずはこの2つの違いからご説明します。 侮辱罪(刑法231条)は、 「事実の摘示によって」 「公然と」 「人の社会的評価を低下させるおそれのある行為をした」 ことによって成立します。 「事実を摘示(てきじ)」(摘示とは示すことです)したかどうかによって名誉毀損罪か侮辱罪かが区別され、摘示がなければ侮辱罪、あれば名誉毀損罪ということになります。 侮辱罪でも名誉毀損罪でも、どちらも「公然と」の要件が必要になります。 また、人や法人などに対する社会的評価(外部的名誉)を毀損することも要件となります。 「公然」とは不特定または多数の者が直接に認識できる状態をいい、その要件に該当するか否かは、その内容が他者へと広がっていく可能性があるかどうかで判断されます。 実際に社会に広く知れ渡ったことまでは要しません。 たとえ少人数が集まる場所での発言であっても、そこにいた人の口から伝わって話が広がる可能性があれば、「公然と」の要件を満たします。 では事実ではない「根も葉もない噂」や「嘘」は名誉毀損ではない? 名誉毀損が成立するためには「事実の摘示」が必要だと説明しました。 このように聞くと「事実」を「真実」であると誤解する人がいるかもしれません。 そうなると、根も葉もない嘘や噂の場合には、名誉毀損が成立しなくなるのか?と疑問を持たれることもあるでしょう。 嘘や虚偽の噂の方が悪質なのに、どうしてなのかと思うかもしれません。 結論的には、根も葉もない嘘や噂の場合でも、名誉毀損は成立します。 名誉毀損は、人の社会的評価を低下させる事実を広めた人を罰するための規定なので、内容が虚偽の場合、当然に罰されるべきです。 むしろ、内容が真実のケースよりも根も葉もないケースの方が、より悪質であることが多いので罰する必要性は高いと考えられます。 繰り返しになりますが、 名誉毀損が成立するために必要な「事実」は、「真実」である必要はなく、嘘や虚偽の「事実」でも良いのです。 たとえば、不倫をしていないのに「あの人は上司と不倫している」と言われたら、それは名誉毀損を構成する「事実」になります。 これに対し、「馬鹿野郎!」などという場合には、「事実」を言っていません。 名誉毀損における「事実」は、侮辱罪との区別をするための概念なのであり、内容が真実かどうかは問題になりません。 むしろ、真実であれば、刑法230条の2によって違法性が阻却されることもあります。 (詳しくは後述します。 ) 以上のように、名誉毀損における「事実」については原則として内容の真実性は影響しないので、内容が真実であっても根拠のない嘘や噂であっても、名誉毀損が成立する可能性があります。 名誉毀損の「事実」の解釈において、混乱を生じないように正しく理解しておきましょう。 【図解】名誉毀損と侮辱罪の違い ここまでのことを図にまとめると下記のようになります。 名誉毀損が成立しない可能性がある2つのケース 「公共の利害に関する事実」であり、 目的が「公益目的」であり、 かつ「真実性が立証された」 場合には、これを罰しない、とされています 刑法230条の2第1項。 (公共の利害に関する場合の特例) 第230条の2 1 前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には,事実の真否を判断し,真実であることの証明があったときは,これを罰しない。 2 前項の規定の適用については,公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は,公共の利害に関する事実とみなす。 3 前条第1項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には,事実の真否を判断し,真実であることの証明があったときは,これを罰しない。 たとえば、 有名な政治家の過去の業務に関するスキャンダルなどを暴いた場合には、上記の要件をすべて満たし、名誉毀損が成立しない可能性が高いです。 逆に、ただの一般人の名誉を毀損する内容であれば、たとえその内容が真実であっても「公共の利害に関する事実」「専ら公益目的」の要件を満たさないので、名誉毀損が成立するでしょう。 また、たとえ公共の利害に関する事柄であっても、私利私欲のために名誉毀損的な行為を行った場合には、「専ら公益目的」の要件を満たさないので、やはり名誉毀損が成立します。 真実性の証明ができなかった場合 名誉毀損の違法性阻却における「真実性の証明」については、さらに問題があります。 真実性の証明ができなかったとしても、名誉毀損が成立しない可能性があるのかということです。 たとえば、実際には真実であるという証明まではできなかったけれども、真実であると信じていたし、十分な根拠もあった、という場合もあります。 このようなケースでは、「たとえ真実性の証明ができなかったとしても、当時の状況から真実であると信じるに足りる根拠があった場合」には、故意でないなどとして名誉毀損が成立しない、と考えられています。 たとえば有名な政治家の過去のスキャンダルを暴いた場合、たとえその内容が真実であると証明できなくても、記事を書いた時点でそれが真実であると信じるだけの充分な根拠があったのであれば、名誉毀損罪が成立しない可能性が高いです。 例外規定は名誉毀損罪にしか認められない 以上のような例外的な処罰の除外規定や解釈方法は、名誉毀損には認められますが、侮辱罪にはありません。 それは、名誉毀損は「事実を摘示」するものなので、「事実が公共性を持つか」や「真実かどうか」などを考慮できますが、侮辱罪の場合には、事実を摘示しない単なる侮辱行為なので、それが公共の利害にかかわるかとか、真実かどうかということはまったく問題にしようがないからです。 このように、侮辱罪と名誉毀損罪には、基本的に「事実」に関するかどうかという違いがあるだけですが、その違いが実はとても大きなものだということがわかります。 政治家へのゴシップも名誉毀損になる可能性がある 先に「有名な政治家の過去のスキャンダルを暴いた場合、真実であると証明できなくても、記事を書いた時点でそれが真実であると信じるだけの充分な根拠があったなら名誉毀損罪が成立しない可能性が高い」と言いましたが、これは「政治家相手なら名誉毀損が成立しない」という意味ではありません。 政治家のゴシップやスキャンダルなどであっても「真実であると信じる根拠」がなかったら名誉毀損になります。 たとえば対立候補を落とすためや気に入らない政治家に対する嫌がらせ目的などで、でっちあげのスキャンダルで誹謗中傷した場合などには「真実であると信じる根拠」はないので名誉毀損となります。 政治家などの「公人」や「公務員」が相手の場合、通常人相手よりも名誉毀損に「なりにくい」だけで「名誉毀損が成立しない」わけではないので注意が必要です。 芸能人のスキャンダルやゴシップは名誉毀損になりうる それでは政治家と同じくスキャンダルや誹謗中傷の対象になりやすい「芸能人」の場合にはどういった取扱いになるのでしょうか? 芸能人は公人ではないし公益目的も認められない まず芸能人のスキャンダルは「公共の利害に関する事実」ではありませんし、芸能人は当然「公務員」ではなく普通の民間人です。 芸能人のスキャンダルを暴く目的も「単なる興味本位」「話題性の追及」などであり、通常は「公益目的」ではないでしょう。 よって芸能人の場合には政治家と異なり、名誉毀損罪の違法性を阻却するための刑法230条の2は適用されません。 芸能人相手にゴシップ記事やSNSなどで誹謗中傷した場合には、普通の人を相手にするのと同じように名誉毀損罪が成立する可能性が高くなります。 内容が真実だから許される、というものでもありません。 一般には芸能人の場合「有名人だからある程度の誹謗中傷を受け入れるべき」「芸能人にはプライバシー権が認められない」などと思われていることもありますが、法律ではそういった考え方はとられていません。 むしろ悪質な誹謗中傷によって芸能人の評判を落として売上げ低下などの損害を発生させたら、莫大な金額の損害賠償が必要になる可能性もあります。 現実には芸能人から訴えられる可能性は低い ただし現実には、一般の人が芸能人を多少誹謗中傷しても「刑事告訴」されず、処罰されないケースが多くなっています。 芸能人は人気商売であり、誹謗中傷を理由に加害者である一般人を刑事告訴してトラブルになったとなると、さらに騒ぎが大きくなってイメージが低下してしまうおそれがあります。 名誉毀損罪は親告罪なので、被害者による刑事告訴がない限り加害者は処罰されません。 芸能人がイメージ低下を恐れて告訴しなければ、加害者に名誉毀損が成立していても逮捕や処罰をされずに済むのです。 芸能人が相手でも誹謗中傷はしない方が良い このように「芸能人を誹謗中傷しても訴えられることが少ない」ため、週刊誌やテレビなどでも毎日のようにゴシップ記事が溢れており、世間でも「芸能人を誹謗中傷しても問題ない」かのように受け止められています。 しかし実際に、法的な考え方によると芸能人に対するゴシップや悪質な誹謗中傷は名誉毀損になりますし、あまりに悪質な場合には出版社や新聞社が訴えられている事例もあります。 そういった場合、数百万円以上の多額の慰謝料が認められているケースも存在するので、個人のSNSなどでも芸能人を攻撃するのは、やめておいた方が無難です。 1対1でののしられた場合に成立するか それでは次に、どのような場合で名誉毀損や侮辱罪が成立することがあるのか、具体的なケースを見てみましょう。 まずは、1対1で言い合いをしているときに、相手から名誉毀損的行為や侮辱発言をされたときに成立するかという問題です。 名誉毀損罪について 1対1で言い合いをしているときに、相手から社会的評価を低下させるような事実の摘示を含む発言があった場合、名誉毀損罪が成立することはあるのでしょうか? このとき、問題になるのは 「公然と」の要件です。 名誉毀損罪が成立するためには、 公然と名誉毀損的な行為が行われる可能性があり、具体的には周囲に伝播 広がる する可能性があることが必要です。 ただ、まったくの1対1で言い合いをしていて周囲に誰もいない、という状況では、発言内容が周囲に広がっていく可能性がありません。 つまり、この場合には「公然と」の要件を満たさず、 名誉毀損罪は成立しないと考えるべきです。 ただ、1対1で言い合いをしている場合であっても、周囲に誰か他の人がいて、それを聞いていた人がさらに他の人に話すことによって発言内容が広がっていく可能性がある場合には、名誉毀損罪が成立する可能性があります。 侮辱罪について それでは、侮辱罪についてはどうなるのでしょうか? これについても、名誉毀損罪と同じ考え方となります。 侮辱罪が成立するためにも、やはり 「公然と」の要件が必要です。 完全に相手と自分しかいない状況で侮辱されたとしても、その内容が他に広がっていく可能性はないので侮辱罪は成立しません。 反対に、周囲に誰が他の人がいて、それを聞いていた人が発言内容を他に広める可能性がある場合には、「公然と」の要件を満たし、侮辱罪が成立する余地があります。 「バカ」と言われた場合に成立するか 次に、単純に相手から「バカ」と言われただけのケースで名誉毀損や侮辱罪が成立する可能性があるのか、見てみましょう。 侮辱罪について 次に侮辱罪の成否を見てみましょう。 侮辱罪は、相手に対して「事実の摘示なしに」侮辱する行為です。 そして「馬鹿」というだけでは事実の摘示になっていません。 つまりこの場合、「公然と」などの他の要件を満たしている限り、侮辱罪が成立する可能性があります。 たとえば大人数が集まっている前で「馬鹿野郎!」などとののしった場合、侮辱罪が成立する可能性が充分にあります。 特に、人がたくさんいるところでは、あまり相手を汚い言葉でなじったりしないように注意すべきです。 (人がいないところでも、相手を汚い言葉でなじったりすると、不法行為が成立するおそれがあります。 ) ネット上やメールなどでの中傷行為によっても成立するか 次に、ネット上やメールなどでの誹謗中傷行為に侮辱罪や名誉毀損罪が成立するのかどうかを見てみましょう。 名誉毀損罪について まずは名誉毀損罪について、見てみます。 名誉毀損罪が成立するためには「公然と」の要件が必要ですが、ネット上やメールでの誹謗中傷行為についても「公然と」と言えるのかが問題です。 この点、 ネット上に文書などを公開した場合には、「公然と」の要件を満たします。 ネット上の記事は、基本的にインターネットにつながっている環境さえあれば、世界中の誰からでも閲覧できるためです。 ネット上に公開してしまったら、広く世間に広がっていく可能性があるので、公然との要件は問題なく満たされることになります。 SNSなどへの投稿であっても、それが不特定多数に見られる可能性のある設定になっていれば、やはり伝播可能性があるので名誉毀損罪が成立します。 少人数の友人だけしか見られない設定であったとしても、それを見た友人の口や友人の書き込みを通じて周囲に広がっていく可能性がある以上、やはり伝播可能性があるとして「公然と」の要件が満たされます。 つまり、ネット上に投稿した場合には、ほとんどどのようなケースでも「公然と」の要件が満たされて名誉毀損罪が成立する可能性があるということなので、ネット上の投稿行為には、充分注意が必要です。 これに対して、メールでの誹謗中傷行為の場合には、少し事情が異なります。 メールは、基本的に送った相手しか読まないものです。 相手ひとりだけにメールを送信した場合には、名誉毀損罪が成立しない可能性が高いです。 ただし、複数の宛先に同じ文章を送った場合やBCC、CCなどによって他の人にも同じ内容のメールを送信した場合などには、それを受けた他の人から不特定多数に伝播していく可能性があるので、「公然と」の要件を満たし、名誉毀損罪が成立する可能性があります。 匿名でネット誹謗中傷しても特定される可能性もある ネット上における記事投稿やメール送信は、相手の顔が見えないこともあって比較的容易に行き過ぎた発言をしやすいです。 しかし、ここで節度を持った対応をしておかないと、後から「侮辱罪」「名誉毀損」などと言われて刑事上や民事上の責任追及をされてしまうおそれがあるので、充分注意が必要です。 特に、近年ネット上の誹謗中傷行為が増えており、 「ネット誹謗中傷」などという言葉までできているほどです。 ネット誹謗中傷をすると、たとえ匿名で記事投稿をしていても、プロバイダ責任制限法という法律にもとづいて 発信者情報を特定されて、最終的に投稿者を特定されて責任追及されてしまうおそれがあります。 「ネット投稿は匿名だからバレない」と安易な気持ちで相手を傷つける発言をすると、ある日突然内容証明郵便が届いたり裁判所を通じて訴状が届いたりすることもあるので、くれぐれも注意しましょう。 関連記事 刑事上の問題と民事上の問題 名誉毀損行為や侮辱行為には、刑事上の問題と民事上の問題があります。 これら2つは混同されることも多いですが、目的や効果が全く違うものなので、正確に理解しておく必要があります。 以下で、具体的に見てみましょう。 刑事上の名誉毀損罪、侮辱罪 他人の名誉を毀損したり侮辱したりした場合には、刑法上の名誉毀損罪(刑法230条)や侮辱罪(刑法231条)が成立します。 これらは、犯罪を犯した者を国家が処罰するという、刑事上の問題です。 名誉毀損罪や侮辱罪が刑事上で問題になる場合、行為者は、逮捕されたり起訴されて刑事裁判になり、有罪判決を下されたりする可能性があります。 そして、有罪になった場合には、ケースに応じて刑罰が科されます。 名誉毀損罪が成立する場合には、 3年以下の懲役若しくは禁錮または50万円以下の罰金刑が下される可能性がありますし、 侮辱罪の場合には、 拘留(こうりゅう-1日以上30日未満刑事施設に拘置する刑罰)または科料(かりょう-1,000円以上1万円未満の金額を支払う刑罰)を受ける可能性があります。 なお、侮辱罪の法定刑は、刑法典の中でももっとも軽い部類なっています。 また、名誉毀損罪も侮辱罪も、「親告罪」です。 親告罪とは、被害者が刑事告訴をしない限り、行為者を罰することができない犯罪です。 つまり、相手が名誉毀損的な行為や侮辱的な行為に及んだとしても、被害者が警察や検察官に刑事告訴をしない限り、警察などの捜査機関は相手を逮捕してくれませんし、起訴することもない、ということです。 名誉毀損行為を受けて、その相手に刑罰を与えてほしいなら、必ず刑事告訴をする必要があります。 また、相手を刑事告訴して刑罰を適用してもらえたとしても、刑事上の手続において、相手から慰謝料などのお金を払ってもらうことはできません。 原則として、お金を払ってもらうためには慰謝料請求をする必要があり、これは、次に説明する民事的な問題です。 (刑事告訴をした場合に、相手方から慰謝料の支払いによる示談と引き換えに告訴の取り下げを持ちかけられることはあり得ます。 ) 民事上の名誉毀損、侮辱行為 他人によって名誉毀損的な行為や侮辱的な行為をされた場合には、民事上の損害賠償ができるかどうかも問題になります。 相手が名誉毀損的な行為や侮辱行為をしたとき、それが度を超えたものであれば違法性を有することになるので、違法行為となります。 (民法710条) 民法上、相手の違法行為によって損害を被った場合には損害賠償請求ができることになっているので、この場合、相手に対して不法行為にもとづく損害賠償請求ができます 民法709条。 不法行為については下記の記事にて詳しく解説しています。 名誉毀損的な行為や侮辱行為によって受けるのは精神的な苦痛であることが通常なので、 相手に対してできる損害賠償請求は「慰謝料請求」となります。 民事上の名誉毀損(民法710条)が成立する場合にはもちろんのこと、侮辱的な行為をされた場合であってもそれが度を超えたものなら、慰謝料請求ができる可能性があります。 ただ、 名誉毀損行為の方が侮辱行為よりも一般的に違法性が強いと考えられるので、慰謝料請求が認められやすいですし、認められた場合の慰謝料の金額も、侮辱行為より名誉毀損的な行為の方が高くなることが多いです。 刑事事件と民事事件のどちらで訴えるべきか、両方で訴えることが可能か否かについては下記のページで解説しております。 慰謝料の相場 それでは、名誉毀損行為や侮辱行為が不法行為に当たり、民事上の慰謝料請求ができる場合、具体的にはどのくらいの金額の慰謝料を請求することができるのでしょうか? これについては、名誉毀損行為と侮辱行為によって金額が異なるので、分けてご説明します。 名誉毀損の慰謝料の相場 名誉毀損の場合、その対象が芸能人か一般人かや、誹謗中傷内容、社会に与える影響の大きさや実際に発生した結果などによって慰謝料の金額が変わってきます。 一般人が被害者となる通常の名誉毀損事案の場合の慰謝料の相場は、10万円~100万円までの間であることが多いです。 ただし、相手が芸能人や政治家で社会に与えるインパクトが大きなケースや、誹謗中傷内容が重大で被害者が自殺してしまったケースなどでは、数百万円の多額の慰謝料が認められることもあり得ます。 侮辱行為の慰謝料の相場 次に、侮辱行為が行われた場合の慰謝料の相場を見てみましょう。 侮辱行為では、通常、名誉毀損行為よりも慰謝料が認められる可能性が低くなります。 これは、侮辱罪の違法性は名誉毀損罪よりも小さいと考えられていることによります。 実際、侮辱罪の刑事上の法定刑は名誉毀損罪のそれよりも相当軽くなっていることからも、このことがわかるでしょう。 実際、侮辱行為が行われただけで不法行為となり慰謝料が認められること自体が、さほど多くはありません。 認められるとしても、10万円以下になることが多いでしょう。 実際にも、タクシー運転手が客から20分間もの長きにわたって侮辱的発言を受け続けたケースで、10万円の支払い命令が出た判例があります。 名誉毀損による慰謝料請求が認められた判例と認められなかった判例 名誉毀損行為が不法行為に該当し慰謝料が認められる場合、具体的にはどのくらいの慰謝料が認められるのかを知りたい人が多いでしょう。 そこで以下では、名誉毀損で慰謝料が認められた判例とその場合の慰謝料の金額及び、認められなかった判例をご紹介します。 金額としては、加害者の主婦3人にそれぞれ20万円ずつ、合計60万円の慰謝料支払が命じられました(昭和59年8月29日 仙台仙台地方裁判所)。 この事件については下記のページにて詳しく解説されております。 慰謝料として15万円、弁護士費用が3万円の、合計18万円の支払命令が出ました(平成20年11月28日 東京地方裁判所)。 この事案は、被害者が自殺していることによって慰謝料の金額が大きくなっていると考えられます。 この事案では、たとえ対象を匿名にしていても、事情を総合的に判断すると、対象者の特定が可能であると判断されて、総額440万円(うち40万円は弁護士費用)(その他にインターネット掲示板の管理者に対して、プロバイダ責任法に基づく書き込みの削除義務違反の不法行為を理由に165万円(うち15万円は弁護士費用))の支払い命令が出ました(平成18年11月7日 東京地裁)。 旧厚生省のウェブページにおいて、被害者の保険医欠格期間経過後も「保険医取消」という情報が掲載され続けていたため、これが名誉毀損に該当するとして国を訴えました。 ここでは、名誉毀損(不法行為)が成立するとして、30万円の慰謝料が認められました(平成15年9月12日 名古屋地方裁判所)。 この事案では、告訴された人が、根拠のない誹謗中傷であるとして掲載者を訴えました。 結果として、その告訴状には殺人罪などの疑いをかけることができるだけの客観的な根拠がないとして、ブログ掲載者に対し、150万円の慰謝料(その他に弁護士費用として15万円)の支払い命令が出ました 平成23年1月14日 長野地方裁判所上田支部。 これは、対象が一般人の事案ではあっても、殺人罪という重大な事実を摘示されたことによる社会への影響の大きさを考慮して、慰謝料が多額になっているものと考えられます。 この事案では、弁護士会は懲戒しないという決定をしており、裁判所は、「根拠なく行われた懲戒請求である」と判断し、懲戒請求者に対し、70万円の慰謝料支払い命令を出しました(平成15年4月18日 神戸地方裁判所)。 名誉毀損が認められなかったケース 次に、名誉毀損が認められなかったケースもご紹介します。 このケースでは、建設会社が住民に対して名誉毀損(不法行為)にもとづく損害賠償請求をしましたが、裁判所は「社会的評価の低下は認められない」として請求を棄却しました(平成15年9月24日 横浜地方裁判所)。 名誉毀損の慰謝料の判例からわかること 以上のように、名誉毀損が認められる場合には、通常の場合には慰謝料の金額が数十万円程度であることがわかります。 ただし、摘示された事実が重大であったり、被害者が自殺してしまったりして結果が重大になっていたりすると、相手が一般人であっても数百万円単位の多額の慰謝料が認められるケースもあります。 芸能人や政治家などが被害者のケースでは、数百万円レベルの慰謝料が認められることもあります。 また、相手を匿名にしていても、他の事情と合わせて判断すると特定の人物であると判断できる場合には、名誉毀損(不法行為)が成立することがあります。 相手が一般人であっても有名人であっても、軽い気持ちで誹謗中傷行為をしてしまうと、多額の慰謝料請求をされてしまうリスクがあるので、くれぐれもそのようなことのないよう注意しましょう。 まとめ 今回は、名誉毀損罪と侮辱罪の違いや民事上と刑事上の問題、慰謝料請求が認められるケースとその場合の金額などについてご説明しました。 名誉毀損罪と侮辱罪の違いは、事実を摘示するかどうかということです。 名誉毀損行為の方が侮辱行為よりも、刑事上も民事上も責任が重くなります。 ネット上などでは、軽い気持ちで相手をおとしめる発言をしてしまうことがよくありますが、こちらが安易な気持ちであっても被害者にとっては重大な受け止め方をして、刑事告訴されたり民事損害賠償をされたりするおそれがあります。 「これくらい大丈夫だろう」などと考えることなく、常に自分の言動には責任をもって対処することが必要です。 また、名誉毀損行為や侮辱行為を受けたり、逆にこれらを行ったと疑われて困ったときには、弁護士に相談するようにしましょう。

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誹謗中傷とは?:誹謗中傷対策の手引き

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もくじ• 相手の名誉を傷つければ名誉棄損に 誹謗中傷とは 公共の場で相手を貶めたり、その名誉を傷つけたりする行為です。 『どこから犯罪なのか』『どの程度までなら罪に問われないのか』は法律のプロでも断定できませんが、被害者が 『貶められた、名誉を傷つけられた』と感じれば、それは罪に問われる可能性があります。 特に 「名誉棄損罪」は、誹謗中傷の内容が真実か事実無根かに関わらず適用されます。 例えば被害者に重大な犯罪歴があったとして、それをインターネットで大勢に広めるのは合法でしょうか。 答えは 「被害者が、それを他人に知られたくないと思っていたか否か」によって変わります。 もし絶対に知られたくないと思っていたのなら、加害者は名誉棄損罪に問われる可能性が高いと考えられます。 インターネットへの書き込みだけに限らず、噂話として口伝いに広めた場合や、張り紙などで(本人の意思に反して)広めた場合も同様です。 事実と異なる誹謗中傷は侮辱罪に 誹謗中傷に関わる犯罪には 「侮辱罪」もあります。 これは 「事実と異なる」内容で相手を侮辱した際に問われる罪です。 この点が名誉棄損罪とは異なります。 言葉によって結果的に名誉が貶められたと判断された場合は名誉棄損罪に、侮辱的な言葉そのもので心が傷付けられたと判断された場合には侮辱罪が適用されると考えてよいでしょう。 ただし、やはり 「どの程度なら罪に問える・問われる」というのは判断が難しいです。 もし被害を受けた、または自分が与えてしまったと思ったら、早めに弁護士へ相談すべきでしょう。 特にインターネットへの書き込みは、一度表に出れば完全に消去することはできません。 これは被害者・加害者ともにデメリットが大きいです。 ウソで相手の信用を損ねたら信用毀損罪に 「信用毀損罪」は、公共の場で 「相手の信用を損ねた」際に問われる罪です。 特に自営業をおこなっている人にとって関わりが深いと思います。 例えば、自身が経営するレストランの料理で食中毒を起こして入院したと、SNSの書き込みで拡散されたとします。 その書き込みの被害を受け、客足が遠のき、売り上げが以前と比べて落ちたとしたら信用毀損罪は適用されるでしょうか。 それは、書き込んだ内容が事実か否かによります。 信用毀損罪が適用されるのは 「事実と異なる内容=ウソ」で相手の信用を損ねた場合です。 食中毒を起こしたことがウソであれば、これは適用される可能性が高いです。 逆に事実であった場合や、加害者が本当に食中毒を起こしたと思っていた場合には、信用毀損罪は適用されません。 ただし、書き込んだ内容によっては名誉棄損罪など他の罪を適用される可能性があります。 誹謗中傷や風評被害が犯罪になるラインは、現在のところ明確には示されていません。 必ずしも加害者が罪に問われるとは限りませんし、逆に(自身の感覚では)何気ない言葉が相手の心を傷つけ、誹謗中傷と認識されることもあります。 「誰もが被害者にも、加害者にもなり得る」ということです。 誹謗中傷や風評被害を受けた当事者となったら、まずは法律のプロである弁護士に相談してください。 刑法やこれまでの判例などから、どのような罪が適用されるのか・どうやって解決すればいいのかなどをアドバイスしてもらえるはずです。

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