コロナ ウイルス ワクチン 日本。 新型コロナ:コロナワクチン21年春にも供給 政府・アストラゼネカ (写真=ロイター) :日本経済新聞

「どう猛な虎からヤマネコに変わった」新型コロナウイルスはワクチンを待たずに消滅か イタリアの医師が証言

コロナ ウイルス ワクチン 日本

臨床試験を開始したと発表したのは、大阪大学の研究者が設立したバイオベンチャー企業「アンジェス」です。 発表によりますと、臨床試験では「DNAワクチン」と呼ばれるタイプのワクチンを、健康な成人30人に、大阪市立大学医学部附属病院で投与する計画です。 このワクチンは、ウイルスそのものは使わずに、ウイルスの表面にあって細胞に感染する際の足がかりとなる「スパイクたんぱく質」の遺伝子を使います。 その遺伝子を組み込んだ物質を人に注射することで、体内にスパイクたんぱく質が現れ、それに応じて免疫の仕組みで感染を防ぐ抗体ができるとされています。 投与は2週間あけて2回行い、投与量が少ない15人と、多い15人を比べて、安全性や感染を防ぐ抗体が作られるかどうかを確認するということです。 会社側によりますと、DNAワクチンを作るのに必要な物質は、大腸菌に組み込んでタンクで培養することで、短時間で大量に増やせるということで、素早いワクチン製造が可能だとしています。 新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験は、アメリカや中国などですでに始まっていますが、国内では初めてで、この会社の関係者は、ことし秋には次の段階の臨床試験に進みたいとしています。 ワクチン開発に詳しい東京大学医科学研究所の石井健教授は、新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験が国内で初めて、大阪で始まることについて「臨床試験が始まったことはゴールではなくて始まりと言える。 プロトタイプ(=原型)を人に投与して、安全性はもちろんのこと、効くのか効かないのかを最終的に見極める実験が始まった段階だ。 臨床試験で最も重要なのは安全性をとことん見極めることだ」と話し、期待が先行することに警鐘を鳴らしました。 また、DNAワクチンは、これまでに実用化されたことがない新しい技術だとしたうえで「安全性の危惧が指摘されたこともあったが、動物用の医薬品としては承認され、いまはワクチン自体の安全性は問題ないとされている。 ただ、本当に感染を防御できるだけの免疫を誘導できるのかや、何千万人もの人に投与する大量生産ができるのかが、これから問題になる」と指摘しました。 ワクチン開発に詳しい東京大学医科学研究所の石井健教授によりますと、ワクチンの開発には一般的に10年単位の長い年月がかかるということです。 基礎研究を何年も続けたうえで、非臨床試験という細胞を使った試験管レベルでの実験や動物を使った実験を積み重ねて、人に接種するワクチンを作ります。 続いて実際に人に投与して安全性や有効性を確かめる臨床試験を3段階で行うことが世界的な基準となっています。 一連の研究、開発で早くても5年、長いものでは20年から25年かかるほか、動物実験の段階で効果があるとされても、その後の臨床試験で人への有効性や安全性が十分ではないと判断され、開発が中止になるケースもあり、数多くの研究の中から実用化にこぎ着けるのはわずかだとされています。 新型コロナウイルスのワクチン開発は、異例のスピードで進んでおり、石井教授は「通常、感染症のワクチンを開発する場合、感染症を防御できることを動物を使った実験で確認しなければいけないが、各国が同意して、動物の実験なしで人での臨床試験が始まっている。 3つの段階の臨床試験も、1つが終わってから次に取りかかるのではなく、同時に進めることで早く開発しようと世界中が努力している」と話しています。 ワクチンは毒性を無くしたウイルスや、ウイルスに似せた無害な物質を体に投与することで免疫に「抗体」を作らせ、病原体の形を体に覚えさせて、その後の感染を防ぎます。 ワクチンの開発を進めるうえで最も重要なのは、ワクチンの安全性と有効性の確認です。 安全性で懸念されることの一つが、ADE=抗体依存性感染増強という現象です。 抗体は、本来であればウイルスから体を守るものですが、ADEは、ワクチンの接種後、ウイルスに感染したとき、かえって感染を促進して症状を悪化させる現象です。 なぜ、この現象が起きるのか詳しい仕組みは、まだ解明されていません。 実際に、SARSやMERSといった過去のコロナウイルスのワクチン開発の過程では、動物実験でかえって症状が悪化したケースがあったということで、安全性を慎重に確かめることが求められます。 また、ワクチンの有効性を確かめるうえでは、どのような種類の抗体が作られるのかも重要です。 免疫機能が働いて抗体が作られても、すべての抗体が新たな感染を防ぐわけではありません。 さまざまな種類がある抗体のうち、中和抗体と呼ばれるものでなければ感染を防ぐことができません。 作られた抗体が中和抗体かどうかは、この抗体を加えた細胞にウイルスを感染させる実験を行って確認するほか、動物を使った実験で確認することもあります。 一般的には、これらの実験が行われたあとで、人に投与する臨床試験が進められます。

次の

日本製コロナワクチンは来春か 開発者が明かす最前線の苦闘

コロナ ウイルス ワクチン 日本

INDEX• 治療薬 開発中のCOVID-19治療薬は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、重症化によって生じる「サイトカインストーム」や「急性呼吸窮迫症候群(ARDS)」を改善する薬剤に分けられます。 いずれも既存薬を転用するアプローチが先行していますが、COVID-19向けに新たな薬剤を開発する動きもあります。 このうちレムデシビルは、5月7日に日本で新型コロナウイルス感染症治療薬として承認(製品名・ベクルリー)。 デキサメタゾンはCOVID-19治療薬としての承認は取得していませんが、厚生労働省の「診療の手引き」に標準的な治療法として掲載されています。 レムデシビル(米ギリアド) レムデシビルはもともとエボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬。 コロナウイルスを含む一本鎖RNAウイルスに抗ウイルス活性を示します。 米FDA(食品医薬品局)は5月1日、レムデシビルについて、COVID-19の重症入院患者を対象に緊急時使用許可を与えました。 許可の根拠となったのは、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)主導で中等症から重症の患者を対象に行われた臨床第3相(P3)試験と、ギリアドが行っている重症患者対象のP3試験。 日本では、FDAによる使用許可を受けて特例承認を適用する方針が示され、ギリアドが5月4日に承認申請。 同7日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が特例承認を了承し、厚労省は即日承認しました。 ギリアドは2本のP3試験を行っており、4月末に公表された重症患者対象の試験の主要結果(対象患者約6000人のうち397人分の解析結果)では、5日間の投与で10日間投与と同等の効果が得られる可能性が示されました。 中等症患者1600人を対象としたもう1本の試験は、6月1日に初期の結果(584人分の解析結果)が発表。 レムデシビルを5日間投与した患者は、標準治療のみの患者に比べて投与11日目に臨床症状の改善が見られた患者の割合が有意に高かった一方、10日間投与した患者と標準治療のみの患者では有意差はありませんでした。 現在使われているレムデシビルは点滴薬ですが、ギリアドは吸入薬の開発にも着手しています。 P1試験に入っており、安全性が確認されれば8月にCOVID-19患者を対象とした試験を開始する予定。 成功すれば、軽症患者にも外来や自宅で投与しやすくなり、同社のダニエル・オデイCEOは「パンデミックを食い止めるのに重要な意味を持つ」とコメントしています。 デキサメタゾン(日医工など) デキサメタゾンは重症感染症や間質性肺炎などの治療薬として承認されているステロイド薬。 先発医薬品「デカドロン」(日医工)のほか、複数の後発医薬品が販売されています。 英国で行われた大規模臨床研究で重症患者の死亡を減少させたと報告され、厚生労働省の「診療の手引き」にレムデシビルとともに標準的な治療法として掲載されています。 英国の臨床研究では、人工呼吸器を装着した患者と酸素投与が必要な患者で死亡率を有意に低下させた一方、酸素投与の必要ない患者では効果が見られませんでした。 米NIHのガイドラインでも、人工呼吸器や酸素投与を必要とする患者に対する治療薬として推奨されています。 ファビピラビル(富士フイルム富山化学) ファビピラビルは2014年に日本で承認された抗インフルエンザウイルス薬。 新型インフルエンザが発生した場合にしか使用できないため、市場には流通していませんが、新型インフルエンザに備えて国が備蓄しています。 ファビピラビルは、インフルエンザウイルスの遺伝子複製酵素であるRNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する薬剤。 COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスと同じRNAウイルスであることから、効果を示す可能性があると期待されています。 ただし、動物実験で催奇形性が確認されているため、妊婦や妊娠している可能性がある人には使うことができず、妊娠する可能性がある場合は男女ともに避妊を確実に行う必要があります。 藤田医科大は7月10日、新型コロナウイルス感染症の無症状・軽症患者を対象に全国47医療機関で行った多施設非盲検ランダム化試験の結果を発表。 患者89人を、1~10日目にアビガンを投与する群(通常投与群)と6~15日目に投与する群(遅延投与群)に割り付け、評価を行った結果、通常投与群は遅延投与群に比べて、ウイルスの消失や解熱に至りやすい傾向が見られたものの、統計学的な有意差は示されませんでした。 これとは別に、富士フイルム富山化学が3月から国内で臨床試験を行っており、米国でも4月からP2試験を実施中です。 シクレソニド(帝人ファーマ) シクレソニドは、日本では2007年に気管支喘息治療薬として承認された吸入ステロイド薬。 国立感染症研究所による実験で強いウイルス活性を持つことが示され、実際に患者に投与したところ肺炎が改善した症例も報告されています。 国内では、無症候または軽症のCOVID-19患者を対象に、対症療法と肺炎の発症または増悪の割合を比較する多施設共同の臨床試験が国立国際医療研究センターを中心に行われています。 その他 タンパク分解酵素阻害薬ナファモスタットや同カモスタットは、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の細胞内への侵入を阻止する可能性があるとされ、日本では東京大付属病院などでファビピラビルとナファモスタットの併用療法を検討する臨床研究が進行中です。 ナファモスタットをめぐっては、先発医薬品「フサン」の製造販売元である日医工に、第一三共、東京大、理化学研究所を加えた4者が、共同で吸入製剤の開発に着手。 7月から非臨床試験を始め、来年3月までの臨床試験開始を目指しています。 カモスタットの先発医薬品「フオイパン」を製造販売する小野薬品も、6月5日からCOVID-19を対象とした臨床試験を開始しました。 腸管糞線虫症と疥癬の治療薬として承認されている駆虫薬イベルメクチン(MSDの「ストロメクトール」)もウイルスの増殖を阻害する可能性があるとされており、日本では北里大病院が医師主導治験の実施を検討しています。 同じく治療薬候補として注目された抗マラリア薬のクロロキンとヒドロキシクロロキンも、治療効果が乏しいとして米FDAが緊急使用許可を取り消し、WHO(世界保健機関)も臨床試験を中止すると発表しました。 重症患者に対する治療薬 COVID-19が重症化すると、サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応に重篤な臓器障害を起こしたり、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)という重度の呼吸不全を起こしたりすることが知られています。 こうした重症患者に対する治療薬としては、サイトカインの一種であるIL-6(インターロイキン-6)の働きを抑える抗体医薬や、サイトカインによる刺激を伝えるJAK(ヤヌスキナーゼ)を阻害する薬剤が候補に挙げられています。 抗IL-6受容体抗体 スイス・ロシュは4月から、中外製薬が創製した抗IL-6受容体抗体トシリズマブ(製品名「アクテムラ」)のP3試験を米国、カナダ、欧州などで実施していましたが、7月29日、有効性を示すことができなかったと発表しました。 ロシュは進行中のレムデシビルとの併用療法のP3試験を含め、抗ウイルス薬との併用の可能性を探る方針。 日本では中外が重症患者を対象にP3試験を行っています。 米リジェネロン・ファーマシューティカルズと仏サノフィも、共同開発した抗IL-6受容体抗体サリルマブ(同「ケブザラ」)の臨床試験を行っていますが、ジェネロン主導で行われた米国P3試験は、有効性を示せず中止となりました。 サノフィ主導で行われている米国外での試験は続いており、今年9月までに結果が明らかになる見込みです。 JAK阻害薬 JAK阻害薬では、関節リウマチ治療薬バリシチニブ(米イーライリリーの「オルミエント」)が米NIAID主導のアダプティブデザイン試験の一部としてレムデシビルとの併用療法に関する国際共同臨床試験を開始。 同試験には日本も参加しています。 6月15日からは、リリー主導で単剤療法のP3試験も行われています。 JAK阻害薬ではこのほか、トファシチニブ(米ファイザーの「ゼルヤンツ」)も欧州で医師主導臨床試験が行われているほか、スイス・ノバルティスも骨髄線維症などの適応で承認されているルキソリチニブ(製品名「ジャカビ」)のP3試験を準備していることを明らかにしています。 日本新薬は、骨髄線維症を対象に開発中のJAK阻害薬NS-018をCOVID-19による重症肺炎やARDSの治療薬に転用することを検討。 同社は、肺動脈性肺高血圧症治療薬セレキシパグ(製品名「ウプトラビ」)をCOVI-D19で生じる血栓症の治療薬として開発することも検討しています。 その他 エーザイは、かつて重症敗血症を対象に開発していたものの、P3試験で主要評価項目を達成できずに開発を中止したTLR4拮抗薬エリトランの臨床試験を開始。 試験は、Global Coalition for Adaptive Researchによる国際共同治験「REMAP-COVID」として行われ、米国で開始したあと、日本を含むグローバルへと拡大する予定です。 エリトランは、サイトカイン産生の最上流に位置するTLR4(Toll様受容体4)の活性化を阻害する薬剤で、サイトカインストームの抑制を狙います。 イーライリリーは、がんなどを対象に開発中の抗アンジオポエチン2(Ang2)抗体LY3127804について、ARDSを発症するリスクの高いCOVID-19入院患者を対象とするP2試験を開始。 Ang2はARDSを呈する患者で増加することがわかっており、試験ではAng2を阻害することでARDSの発症や人工呼吸器の使用を減らせるかどうかを検証しています。 英アストラゼネカは海外で白血病治療薬として承認されているBTK(ブルトン型キナーゼ)阻害薬アカラブルチニブの臨床試験を実施中。 このほかにも、糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬ダパグリフロジン(製品名「フォシーガ」)について、米セントルーク・ミッドアメリカ・ハートインスティチュートと臓器不全などの重度の合併症を発症する危険性のある患者を対象としたP3試験を行っています。 武田薬品工業と米アッヴィ、米アムジェンは8月3日から、武田の遺伝性血管性浮腫治療薬イカチバント(製品名「フィラジル」)とアムジェンの乾癬治療薬アプレミラスト(同「オテズラ)、アッヴィが非アルコール性脂肪肝炎などを対象に開発中のcenicrivirocの3つの薬剤について、重症入院患者を対象とした臨床試験を始めました。 新規抗ウイルス薬の開発 既存薬を転用するアプローチで治療薬の開発が進む一方で、新規の薬剤を開発しようとする動きも広がっています。 武田薬品工業は、米CSLベーリングなど血漿分画製剤を手掛ける海外の製薬企業9社と提携し、原因ウイルスSARS-CoV-2に対する高度免疫グロブリン製剤の開発を進めています。 10社は、原料となる血漿の採取から臨床試験の企画・実施、製造まで幅広く協力し、ノーブランドの抗SARS-CoV-2高度免疫グロブリン製剤を共同で開発・供給する計画。 今夏にも、NIAIDと協力して成人患者を対象としたグローバル試験を始める予定です。 イーライリリーは6月1日から、カナダのアブセレラと共同開発しているSARS-CoV-2に対する抗体医薬「LY-CoV555」のP3試験を米国で開始しました。 LY-CoV555はCOVID-19の回復者の血液から同定された中和抗体で、P3試験はCOVID-19が広がりやすく、重症化しやすい高齢者がいる介護施設で実施。 リリーは中国・上海のジュンシー・バイオサイエンシズとも抗体医薬の開発で提携しており、6月からP1試験を行っています(開発コードは「JS016」)。 リジェネロンも6月から、2つの中和抗体を混合したカクテル抗体「REGI-COV2」の臨床試験を開始。 米ビル・バイオテクノロジーは2つの抗ウイルス抗体(VIR-7831とVIR-7832)の開発で英グラクソ・スミスクライン(GSK)と提携し、今夏にP2試験を始める予定です。 米アッヴィは、米ハーバーバイオメドやオランダ・ユトレヒト大などと抗体医薬の開発で提携しています。 ビルは米アルナイラム・ファーマシューティカルズと共同でSARS-CoV-2を標的とするsiRNA核酸医薬も開発しており、開発候補として吸入型のsiRNA「VIR-2703(ALN-COV)」を特定。 今年の末をメドに臨床試験を始める見込みです。 今年5月、国産初の核酸医薬となるデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」(ビルトラルセン)を発売した日本新薬も、新型コロナウイルスに対する核酸医薬の開発を検討。 バイオベンチャーのボナックもCOVID-19向け核酸医薬の研究を進めています。 米メルクは米リッジバック・バイオセラピューティクスと提携し、抗ウイルス薬「MK-4482」のP2試験を実施中。 ファイザーはSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性を示すプロテアーゼ阻害薬候補を特定しており、今夏にも臨床試験を始める予定です。 塩野義製薬も北海道大との共同研究でCOVID-19に対する抗ウイルス薬の候補を特定。 今年度中の臨床試験開始を目指して研究を進めています。 オンコリスバイオファーマは鹿児島大と契約を結び、同大が見出した抗ウイルス薬の開発に着手。 カネカは国立感染症研究所と共同で治療用抗体を開発しており、製薬会社と組んで21年度中に臨床試験を始めたいとしています。 ワクチン WHOの7月31日時点のまとめによると、現在、臨床試験に入っているCOVID-19ワクチン候補は26種類。 このほかに139種類が前臨床の段階にあります。 バーチャルトライアルを活用し、開発を急ぎます。 米モデルナのmRNAワクチン「mRNA-1237」も7月27日にP3試験を開始。 ワクチン開発には欧米の大手製薬企業も参入しています。 米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、ウイルスベクターワクチン「Ad26. COV2. 日本や欧州のほかの国でも試験を計画しており、9月のP3試験開始を目指しています。 米メルクはオーストリア・テミスの買収で獲得した麻疹ウイルスベクターワクチンの臨床試験を今年7~9月期に始める予定です。 IAVI(国際エイズワクチン推進構想)とも別のワクチンを開発しており、年内の臨床試験開始を目指しています。 サノフィとグラクソ・スミスクラインは、共同開発中の組換えタンパクワクチンについて9月P1試験を開始する予定です。 サノフィは米トランスレート・バイオともmRNAワクチンの開発で提携しており、GSKも抗ウイルス抗の開発で提携するビル・バイオテクノロジーとワクチン開発でも協力しています。 対象は20~65歳の健康成人で、目標症例数は30例(低用量群15例、高用量群15例)。 アジュバントを含む同ワクチンを2週間間隔で2回、筋肉内注射し、安全性と免疫原性を評価します。 塩野義製薬は、グループ会社のUMNファーマで組換えタンパクワクチンの開発を進めており、年内の臨床試験開始に向けて厚生労働省などと協議を進めています。 KMバイオロジクスも不活化ワクチンの開発に着手しており、最短で11月に臨床試験を開始する意向。 第一三共は、mRNAワクチンについて来年3月の臨床試験開始を目指しており、アイロムグープのIDファーマもセンダイウイルスベクターを使ったワクチンの臨床試験を来年3~5月に始める見込みです。 田辺三菱製薬はカナダ子会社メディカゴで植物由来ウイルス様粒子を使ったワクチンを開発中。 グラクソ・スミスクラインと提携し、7月13日にカナダでP1試験を始めました。

次の

日本の”新型コロナ”ワクチン開発はどこまで進んだ?世界の中の立ち位置は…開発者らに聞く

コロナ ウイルス ワクチン 日本

新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言は全面解除されたものの、状況はいまだ予断を許さない。 そうした中、ワクチンや治療薬開発に期待がかかっている。 各国が開発にしのぎを削る中、日本の立ち位置はどこにあるのか。 政治による予算のバックアップは十分なのか。 今回の放送ではDNAワクチン開発者、ウイルス学専門家、自民党コロナ対策本部顧問を迎え、開発の現状と今後についてうかがった。 米中のワクチンをめぐる覇権争いが懸念される 海老原優香キャスター: 世界ではワクチン開発の熾烈な争いが起きています。 武見敬三 自民党新型コロナ対策本部顧問: 大いに競争して開発が早まるのは大変好ましい。 多くの国々が共有できる仕組みを使い、分配につなげなければ。 問題は価格設定。 大量生産し分配するための特許の枠組みがまだできていない。 いま最も大きな課題として議論しており、今度のG7の会合で安倍総理から提案があると思う。 メディシンズ・パテント・プール(医薬品の特許プール)の仕組みを応用し、G7の国がお金を出しあって、特許権を持つ企業に特許をパテント・プールに出してもらう。 ジェネリック企業による大量生産で、各国の提供体制を強化する仕組み作ろうというもの。 武見敬三 自民党新型コロナ対策本部顧問 森下竜一 大阪大学大学院 臨床遺伝子治療学 寄付講座教授: 日本とヨーロッパの国にとっては非常に合理的な方法。 ただアメリカや中国のように戦略的要素を持っている場合は、その通りに運ぶか不安。 反町理キャスター: 医薬品が人道的なものではなく覇権争いのツールになっていると。 森下竜一 大阪大学大学院 臨床遺伝子治療学 寄付講座教授: 可能性はある。 中国も自分たちが支援している国に出したいはず。 先に開発すれば戦略物資として有利。 中国が15兆円かけるという話もあり、特に米中ではワクチンが覇権の象徴になっているのでは。 5種類のワクチンと各国の現状 WHOによると、5月27日時点で世界で125件の開発案件があり、そのうち10件が人に直接投与する臨床試験まで進んでいる。 また、ワクチンの安全性を確認するのがフェーズ1、少人数に投与して安全性効果を見極めるのがフェーズ2,さらに大規模の人数に投与して効果があるのかどうかを見極めるのがフェーズ3になる。 現状ではイギリスのオックスフォード大学が開発を進めているウィルスペクターワクチンが最も進んでフェーズ3に、アメリカの製薬会社が開発を進めるRNAワクチンも7月にもフェーズ3へ進む予定。 反町理キャスター: 5種類のワクチンそれぞれの特徴は。 増田道明 獨協医科大学医学部 教授: ウイルスのタンパクを体に入れて抗体を作るのがワクチンの原則。 化学的処理などでウイルス全体の感染力を失わせ、タンパクを体内に入れるのが 不活化。 精製したり遺伝子工学的に作ったタンパクを体内に入れるのが サブユニット。 残り3つは体内でタンパクを作らせるもの。 別のウイルスを改変し、新型コロナウイルスのタンパクの遺伝子を持った人工ウイルスを作るのが ウイルスベクター。 これを摂取すると体内で新型コロナウイルスのタンパクが作られる。 また、新型コロナウイルスのタンパクのもとになる 遺伝子DNAや中間産物のRNAを注射して体内でタンパクを作るというものがある。 増田道明 獨協医科大学医学部 教授 反町理キャスター: つまり、新型コロナウイルスのタンパクを体内で作ることにより新型コロナウイルスの侵入時に体内で止めることができるため、事前の防御策になると。 増田道明 獨協医科大学医学部 教授: そうです。 タンパクだけを体に入れれば、ウイルスの抗体やリンパ球による免疫が安全にでき、本物のウイルス入ってきたときに不活化できる。 阪大が開発するDNAワクチンは 反町理キャスター: 森下さんが開発にかかわるDNAワクチンの工程表。 3月に開発開始、5月に動物実験開始。 9月にはフェーズ2に入る予定。 一次補正で20億の予算がついた。 森下竜一 大阪大学大学院 臨床遺伝子治療学 寄付講座教授: 400人程度の臨床治験の費用はこれで賄える。 フェーズ2までの年内の開発は加速化できる。 フェーズ3、生産するとなると民間企業が中心であり予算がない。 なんらかの形で予算頂きたい。 武見敬三 自民党新型コロナ対策本部顧問: 1400億弱の予算をとっており、ここから国として支援する。 このお金では国内開発をしっかり支援すると同時に、ほかの国で開発の成果が出たときに、そのワクチンをわが国で生産できる仕組みをつくるためにも使う。 開発の予算規模は米中に大きく劣る… 反町理キャスター: 予算規模として、アメリカは1兆700億円もの額を確保。 さらに中国は国債発行で15兆円。 日本の桁は1桁・2桁低くなっているが。 森下竜一 大阪大学大学院 臨床遺伝子治療学 寄付講座教授: 中国は自国のみならずアフリカなどで中国の地位を上げようとしており規模が大きい。 アメリカはその対抗。 必ずしも日本の金額が小さく意味がないということではない。 増田道明 獨協医科大学医学部 教授: アメリカで研究した経験上、いい意味で無駄を許容していた。 うまくいかない研究も単なる失敗ではなく、別の感染症対策などにつながるものととらえる。 目的から外れたものも研究行政の対象となっている。 日本はお国柄なのか「研究はうまくいって当たり前。 うまくいけばさらにお金を、うまくいかなければおしまい」。 これがお金の出方の違いの背景かと。 森下竜一 大阪大学大学院 臨床遺伝子治療学 寄付講座教授 森下竜一 大阪大学大学院 臨床遺伝子治療学 寄付講座教授: 100%の成功を期待されると手を挙げる人はいなくなる。 ビル・ゲイツ氏は10のうち2の成功でよいと言った。 日本は国内がうまくいくようであれば、戦略的にパテント・プールを使って東南アジアに供給するべき。 米中が手を出しにくい地域で、日本のプレゼンスが上がる。 武見敬三 自民党新型コロナ対策本部顧問: わが国がケチで、無駄に対してお金を出さないという印象の話になっているが、一般の医薬品開発にしても、実際無駄の多くなる投資分野だとは重々わかっています。 アビガンのメディアの取り上げが大きすぎ? 武見敬三 自民党新型コロナ対策本部顧問: 当初、アビガンの効果を示す論文が中国で出て期待と注目が集まった。 開発した富士フイルム富山化学が100ほどの症例を作り、効果があれば薬事承認の手続きを相当簡略化して実施しようと考えている。 しかし企業治験の結果で効果が示されなければ、十分な効果が示されないままに政府は薬事承認しない。 反町理キャスター: 総理は5月中にと述べたが。 武見敬三 自民党新型コロナ対策本部顧問: 臨床試験で効果があればという条件付きで言った。 現実と違うじゃないかと批判するのはある意味揚げ足取り。 効果がなければ承認しない。 反町理キャスター: 著名人の中にも、アビガンで治ったという方がいた。 森下竜一 大阪大学大学院 臨床遺伝子治療学 寄付講座教授: それがアビガンの効果による治癒かはわからない。 これだけアビガンが報道されると試験に参加する人がいなくなってしまうかも。 アビガンの効果を見るためには比較のためにアビガンでない薬を使う人も必要だが、それを希望する人がいなくなる。 メディアによるアビガンの取り上げ方が大きすぎるのでは。 反町理キャスター: レムデシビルは特例承認という形で日本国内でも承認された。 既存薬は多く取り上げられるが、新薬開発はあきらめたほうがいいのか? 増田道明 獨協医科大学医学部 教授: 既存薬の使用は、臨床試験の結果を待たなければ難しい。 一方新薬開発は絶対に進めていくべき。 レムデシビルはあくまでエボラのための薬で、新型コロナウイルスの的のど真ん中射ることができるとは限らない。 本丸をきちんと落とす薬を作る努力を怠ってはいけない。 どの国も進めていると思う。 反町理キャスター: 新薬とワクチンの開発、難易度はどちらが高い? 森下竜一 大阪大学大学院 臨床遺伝子治療学 寄付講座教授: 今回のケースでは 新薬のほうが難しい。 一から薬を作るとなると、臨床試験に入るまで3〜4年かかる。 (BSフジLIVE「プライムニュース」5月28日放送).

次の